あらすじ僕は、患者の痛みや苦しみを実際に感じることができる。 他人の状態を鏡のように感じ取る「ミラータッチ共感覚」をもつ神経科医が、脳の知られざる知覚現象を解くサイエンス・ノンフィクション。 文字や数字、音に色を感じるなどの「共感覚」がある人たちが人口の4%程度存在しているという。 そのなかでも特異な「ミラータッチ共感覚」は、目の前の人が頬に手をやると、自分の頬に触れられている感覚があったり、痛みに苦しんでいる人を見ると、その痛みを感じ取ったりする。 まるで鏡(ミラー)に映る自分のように。 ミラータッチ共感覚者であり、神経科医でもある著者が、目の前の患者の痛みや苦しみを自らの身体で感じながら、知られざる脳の知覚現象「共感覚」と向き合う日々を綴る一冊。