ワイドショーを騒がせた“あの事件"の真相
なぜ、「ミッキーハウス事件」の被害者は逮捕されたのか?
「裸一貫でのし上がった男の、挫折から学んだ“生き様"が伝わってくる」
鈴木宗男氏、推薦!
栄緑は、私からカネだけではなく
取材や裁判にかかる時間、そして社会的信用も奪い、
今もヘラヘラ笑いながら規則のゆるいPFI刑務所で過ごしている。
経理という仕事を軽んじたせいで横領のきっかけをつくってしまったことは
私の不徳のいたすところであるが、これらをすべて公表することで
中小企業の経営者など多くの方の参考にしていただきたいと思う。(「おわりに」より)
「主文。被告人を懲役四年六月に処する」
裁判官がこう言い渡すと、「あの女」は髪に手をやり、ペロリと舌を出した。
「ヘヘッ、やってもた……」そんな声が聞こえてきそうだった。
傍聴していた私はあきれ果て、怒る気力もなかった。
「あの女」は、複数の愛人たちのために四千五百万円をかけて家まで建てている。
最も話題になった「ミッキーハウス」である。
ミッキーマウスで埋めつくされた四千五百万円ほどのその家は、
「ミッキーハウス」としてメディアで「キモい」などと叩かれたことから、
この横領事件は「ミッキーハウス事件」として知られるようになった。
私の事件を「反面教師」に、再発防止の一助にしていただければ幸いである。(「はじめに」より)
20年近くにわたって、高級ブランド品の爆買い、鮨やステーキの爆食、自宅のリフォーム工事に会社のカネを使い込み、挙げ句の果てには愛人との逢瀬のためにミッキーマウスで埋めつくされた「ミッキーハウス」を4500万円かけて建設した栄緑。その総額は5億円以上に及ぶ。裸一貫でのし上がった立志伝中の経営者は、なぜ罠にはめられたのか。ワイドショーを騒がせた“あの事件"の真相、そして事件後の「脱税逮捕」の真相を、当時の社長が赤裸々に語る。
【目次】
第一章 発覚
第二章 起訴
第三章 裁判
第四章 奈落
第五章 逮捕
第六章 教訓