【書籍説明】
新選組幹部隊士の藤堂平助は実の父母の顔も知らない。
育ててくれた浪人夫婦から「藤堂和泉守の御落胤」と聞かされていた。
九歳頃から北辰一刀流有坂道場の内弟子となり、成長して新選組創立に加わった。
非番の夜、七軒町の花街に遊びに出かけた平助は、身分の高そうな武家の一行が襲われているのを助けた。
だが、平助が名乗ると、助けられた武士達は逆上して平助に斬りかかった。
平助は斬り脱けて屯所に帰営したが、わけがわからない。
数日後、津藩藤堂家から新選組に「藤堂平助を警護役として貸してほしい」という申し出があった。
京都守護職松平容保を通しての依頼なので、局長近藤勇は断ることができない。
渋々、平助が津藩京都藩邸に行くと、自分によく似た若殿様藤堂大助高潔ともう一人、平助に瓜二つの若様藤堂豪助高満がいた。
豪助高満は大助高潔の異母弟という。
藤堂家では藤堂元晋と藤堂高克の二人の家老が勢力を争っていたが、藩主の跡継をめぐって対立を深めていた。
高克は嫡子大助高潔を推し、元晋は異母弟豪助高満を推していた。
平助は高潔派と高満派の跡目相続争いに巻き込まれてしまった。
どうする、平助?
【目次】
刺客の群れ
護衛役
瓜二つ
跡目争い
標的は誰?
狙いは平助?
世渡り上手
邪魔者
真剣勝負
勝負の行方
毒刃詮議
変節
それぞれの道
裏切り