あらすじ見えないけれど、どこにでもいる植物の妖怪とも称されるウツログサ。多くは無害だが人についたものは宿主の欲望を読んで成長することもある。幼いころから傍にある穴。誰にも言えず自分だけが見えることに怖さを感じて――(「アナホコリ」)。ニュータウンのひかり台でウツログサを祓う男と、それに囚われた人々の心のうちをあざやかに描く。『活版印刷三日月堂』の著者によるリアルで不思議な物語。文庫オリジナル。