狙われた蘭方医――
「毒を売る薬師」と濡れ衣をかけられた登志蔵。
罠を仕掛けたものの正体は?
患者に寄り添う医師たちの青春群像劇、第三弾!
蛇杖院(じゃじょういん)の蘭方医鶴谷登志蔵が消えた。深川で出没した毒の薬売り「黒い暖簾」だと疑われたのだ。
事件の背後に登志蔵をおとしめるものの存在を知った見習い医・長山瑞之助は、必死にその行方を追う。
蛇杖院にも嫌がらせが始まるなか、三年前の悲劇が明らかに。医師は患者を前に何をなすべきか?
登志蔵は姿を現わし、決断したのは……。青年たちの一途さが胸を打つ時代医療小説。