幼い頃に決まった政略的な婚約者だが、侯爵令嬢アリアは王太子リュミルのことが大好きだった。
仲の良かった二人だが、成長するにつれてリュミルはアリアから距離を置くようになり、顔を会わせれば喧嘩ばかり。
リュミルに嫌われているのだと落ちこみながらも思いを募らせていく。
そんなある日、リュミルがとある子爵令嬢と口づけを交わそうとする現場を偶然目撃してしまった。
アリアは憤慨し、とうとう婚約解消を告げるのだが、リュミルは「絶対に婚約解消はしない」と言い張る。
口論を続ける二人の姿に埒が明かないと思い至った、アリアの執事で魔法使いのアルジャンは、二人を魔法の鎖で繋いでしまう。
その鎖は物理的に外すことも壊すこともできないが、1カ月たってもアリアの気持ちが変わらなければ婚約解消を許可すると国王に言われた二人。
鎖に繋がれたままのアリアとリュミルは1カ月の間、寝食を含めたすべての行動を共にすることに……。
リュミルへの怒りでいっぱいのアリアだが、それでも傍にいるだけで好きな気持ちが溢れて止まらない。
他に好きな女性がいるくせに、婚約破棄を認めない頑固なリュミルの本当の気持ちとは……。
『鎖に繋がれたまま、婚約解消を目指します(4)』には「第五章 鎖で繋がれたままでいたい」(前半)を収録