伯爵令嬢リゼットは、幼いころから従兄の侯爵令息であるフィリップに片想いをしていた。
だから、フィリップの婚約者となることをひっそりと夢見ていた。
デビュタントのエスコートもしてもらい、ますます想いを募らせるリゼット。
しかし、フィリップは第二王女と婚約がほぼ内定していることを聞き、自分の想いが叶わない夢であることを知る。
そしてデビューシーズンも終わるころ、リゼットは政略結婚をすることが決まり、長年の想いに終止符を打った。
失恋の痛みを引きずったまま顔を合わせた縁談相手は、静かな佇まいが印象的な若き辺境伯、アルバート・ノイマン。
互いの領地に利のある契約として、政略で結ばれた婚約。
穏やかで、けれどどこか寂しげな婚約者と、リゼットは少しずつ向き合いお互いを知るうちに、それぞれの心には新しい想いが芽生えて……。
大人しいけれど前向きな令嬢と臆病で誠実な辺境伯の、優しい恋のお話。
『失恋したので政略結婚します~星降る夜のラストダンス~(2)』には「Step4「僕の思い違いというわけでもなさそうだ」」~「Step6「寒くない?」」(前編)までを収録