小説投稿サイト〈エブリスタ〉×竹書房が選ぶホラーの頂点第4回最恐小説大賞受賞作!脳がザワつく衝撃ラストを見届けよ――。フリーの編集者・正木和也は妻と五歳の息子・蒼太を連れ、ひと夏を都会の喧騒から離れた避暑地の別荘「カブトムシ荘」で過ごす。そこは、知人の精神科医が好意で貸してくれた私荘で、妻子が負った列車事故のトラウマを癒すための滞在であった。時折、失せ物探しや予知など不思議な能力を見せる蒼太。そして、蒼太にしか見えない友達・コウタ。正木は別荘のある村の墓地で詩織という少女に出会い、村に伝わる不気味な奇譚、子を攫う妖鬼〈コトリ〉の伝説を知る。そして始まる村の夏祭り、蒼太が消えた……。脳を攪乱する衝撃の展開、現実が足元から崩れ去る戦慄のホラーミステリ!***寺の掛け軸に記された子をとる鬼【コトリ】の由来——ある山に鬼がいた。時折里に下りては子供を攫って食った。母親の嘆き悲しむのを見て己の所業を悔いた鬼は、食った子供に成り代わり、その後母親と共に暮らしたという……。「ハッピーエンド? これが?」「母親が鬼と知らなければ。最後まで騙し切れたら、きっとそう――」世界は、どんな悍ましさも悪も正義になる。