あらすじ貧しさのなか4人の子を失い、重病の妻を抱えた甲冑鍛冶がいた。鍛冶師──長曽祢興里は、「己の作った兜を、一刀のもとに叩き切る」ことができる刀を鍛えるため、江戸に向かうことを決意する。だが、一流の刀鍛冶を目指す興里に、想像を絶する試練が待ち構えていた・・・・・・。数多の武士が所望し、後世に語り継がれる伝説の刀鍛冶・虎徹。鉄と炎とともに生き、己の信念を貫き通した男の生涯を描いた傑作長篇小説。解説・細谷正充