※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。インターネット上には様々な情報が溢れ、容易に手に入れることができます。菜食や野菜料理に関する情報についても同じで、それらを参考にして野菜料理を作ったり、新しく考えることもできるでしょう。しかし、そこには大きな落とし穴があります。ネット検索をするとお目当ての情報が一発でヒットしますが、自分が探している、興味を持っている以上の情報は得られません。これがネット情報の限界です。昔のように本や人に聞いて情報を探していると、その周辺の色々な情報も次第に蓄積され、新たな発見や気づきにもつながります。何かを探している間に、偶然、自分が探している以上のものを見つけることもあります。ネット検索では膨大な情報に瞬時にアクセスでき、それを選択する側に明確な意図と能力があれば、欲しい情報に簡単にたどり着きます。ただ、全体が見えていないと情報の選択を誤ります。同様に、全体のコーディネーションができていないと、アーカイブや伝統から新しいものは出てきません。新たな発想やひらめきが起きるには、それを受け取れるだけの下地、全体のコーディネーションができていなければならないのです。何の下地もない人は自分の興味や関心、知識の範囲による検索しかできないため、その世界はさらに閉鎖的になってしまいます。それでは何か新しい発想やひらめきが起きることはないでしょう。菜食や野菜料理を選択する人が増える世界的な傾向はさらに進み、多様になり、近い将来、家庭はもちろん、外食産業や食品製造業にももっと溶け込んでいくでしょう。野菜料理のエキスパートになるには、もはや料理の作り方を覚えるだけでは足りません。その成り立ちや歴史的・文化的背景等も身につけ、全体のコーディネーションができるようになる必要があります。この本にはその全てが書き尽くされています。