あらすじ二十代の頃、おれは難解な本を読めば、愚かな頭が賢くなるものだと思っていた。・・・・・・三十代のおれという男の顔は証明書だった。そして、四十代になって、おれという男の顔は、おれの持ち分の時間を食いつづけて、領収書面になってきた。小心で見栄っ張りな男の虚像を辛辣に抉りつつ、男の生き方とは何かを考えた異色の男性論。