ダルタニャンとアトスはバスチーユの典獄ベーズモーの食卓でアラミスと顔を合わせた。アラミスにはフーケと画策する企てがあった。実はルイ14世には双子の弟フィリップがいて、身分を隠して育てられ、現在はバスチーユで最上の待遇の囚人となっていた。アラミスはフィリップと接触して真実を知らせ、王位簒奪を決意させる。見返りとしてアラミスが徂うのは枢機卿、さらに法王の地位であった。フーケはアラミスの助言を受けて、王の名誉をたたえる大規模な祭典を催す。アラミスは何も知らないポルトスの協力を得て、まんまと身柄すり替えに成功し、ルイをバスチーユに閉じ込める。だがアラミスはフーケに真実を明かすという大きな過ちを犯した。フーケは王の誘拐を知ると、王から感謝されることを期待してバスチーユに急行し、ルイを解放した。アラミスはポルトスを連れてすぐに逃走した。ダルタニャンは、フィリップを捕え、その顔を鉄仮面で隠して王に似ていることを他人に悟られぬようにし、そのままサンド・マルグリット島の要塞に生涯閉じ込めておくようにと命じられ、忠実に任務を遂行した。