ストレスというと、重要な仕事を任されたプレッシャーや家族の病気など、その原因が明らかにわかるものを思い浮かべがちだが、日々の些細な出来事が積み重なって、それがウェルビーイングを蝕んでいく場合もある。たとえば、仕事の遅いチームメートを助けたり、終業間際に急ぎの仕事を頼まれたりすることだ。筆者らはこれらをマイクロストレスと呼ぶが、だいたいその場で対処可能なので、それを痛みとはあまり感じない。しかし積み重なれば、大きな影響を与えるのだ。本書では、こうしたマイクロストレスのメカニズムや発生源、そして対処法について解説する。
*『DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー(2023年8月号)』に掲載された記事を電子書籍化したものです。