「もし婚約破棄をしたら、一番に私に知らせてほしい」
「それでも僕は、君の手を離してあげられない」
(どうして…?彼らが愛しているのは、『彼女』のはずなのに――)
乙女ゲームのモブに転生した子爵令嬢・エヴァは、幼い頃に負った傷跡のせいで何事にも消極的だった。
大好きな両親との穏やかな生活を望むエヴァだが、王太子・ジェイドの建前上の婚約者にされてしまう。
貴族たちには王太子妃に相応しくない身分を蔑まれ、ジェイド本人は幼なじみ・サラに夢中……
何度も婚約解消を申し出るもなぜか頑なに応じないジェイドに困惑している最中、出会ったのは神官セオドアだった。
神職者らしからぬ軽薄な態度の中に垣間見える優しさと、新たな居場所を与えてくれる姿に、エヴァの心は揺れ動く。
そんな矢先に起こった「とあるできごと」をきっかけに、3人をとりまく運命の歯車が狂いだし――!?
すれ違いトライアングル恋愛ファンタジー開幕!