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126代の歴代天皇の中に、これまで十代八方の女性天皇がおられた。
皇族が少なく、女性天皇、女系天皇が現実味を帯びて語られる昨今、これら女性天皇の事跡を負うことは意味がある。
中でも希有な方が、この本で取り上げられる高野(孝謙・称徳)天皇である。
聖武天皇の娘として生まれ、日本初の女性皇太子になり、孝謙天皇となった後、
譲位して孝謙上皇となり、藤原仲麻呂の乱を収めて再度称徳天皇として皇位に、
政(まつりごと)に情熱を持った女性で、仏教で国を治めんと道鏡を重用し、
崇仏政治を独裁的に行った。そして皇位を道鏡に譲らんとして皇統の危機を招いた……。
この女性の一生と波瀾万丈の時代を追う。
<この本に登場する人物、事件の数々>
聖武天皇・光明皇后、平城京遷都、阿倍内親王が孝謙天皇に、東大寺大仏開眼、長屋王の変、鑑真来朝、藤原仲麻呂・吉備真備が頭角を現す、藤原仲麻呂の乱、淳仁天皇が廃され淡路に配流、孝謙上皇が重祚して称徳天皇に、道鏡が法王になる、宇佐八幡ニセ神託事件、和気清麻呂が穢麻呂(きたなまろ)に改名され大隅に流罪、称徳崩御、道鏡左遷され下野で没す