ノクス・ガラクシアはアコール王国の王位継承権四位の少年。しかし、優秀な双子の弟、両親と似ていない髪と目の色、そして「双子のどちらかが災いをもたらす」という伝承によって、生まれながらに『厄災の子』の烙印を押されて育つ。家でノクスに良くしてくれるのは、弟のラノと料理長、そしてメイドのナーナだけ。迎えた16歳の誕生日、成人の儀にて家督継承権を愛する弟に譲ったノクスは、実家に別れを告げ旅立つことを決意した。その日、ノクスはナーナに声をかけられる――「ノクス様。私と結婚して、私の実家に来ませんか」ノクスとナーナが旅の途中で出会うのは、ちょっと変わった人たちや、美しい街と風景。数々の土地を旅する中で、二人の関係はゆっくり変わり始める。これは『厄災』と呼ばれ忌み嫌われた王子が、婚約者との旅路で愛と幸せを見つける物語。