私の望みは2つだけ。赤ちゃんを産むこと。愛を教えてくれた男性に愛されること。
最近の体調不良の原因が妊娠と知って、ヴィエナは愕然とした。医者から“妊娠できない”と言われていたのはなんだったのだろう?でも子供の父親――富豪ジャスパーはこの知らせを歓迎しないはずだ。私は数日一緒に過ごしただけの、ただのベッドの相手だから。でも、男らしい彼は私を大切にしてくれた。そんな人は初めてだった。悩んだ末に、ヴィエナはジャスパーに赤ん坊ができたと告げた。ジャスパーがすぐに子供の父親になりたいと言ったのはうれしかった。けれど、彼が続いて口にしたのは“義務”という言葉ばかりだった。私がいちばん欲しいのは愛なのに、愛のない結婚が答えなんて……。
■大胆かつ緻密な構成を得意とする、大スター作家D・コリンズ。孤独の中、愛を求めて傷ついてきたヒロインは兄の結婚によってできた義兄に恋をしますが……。今作がお気に召したら、スター作家J・アシェンデンのR-3874『王子が選んだ十年後の花嫁』もぜひご一読を!