公爵令嬢のコーデリアは、自国の第一王子ジェイクと結婚し王太子妃となった。
形だけの初夜を済ませ、愛情など微塵もない結婚生活がはじまった。
ジェイクとの接し方が分からず夫婦仲は冷えきっていたが、よき王太子妃であろうと国民の前では必死に仲睦まじい夫婦を演じていた。
嫌いなわけではないのに、うまくかみ合わないジェイクとの関係。
幸せそうな周りの夫婦を見るたびに、羨ましさが募っていくコーデリアだが、ある日、多忙な生活がたたり体調を崩し倒れてしまう。
目を覚ますと、自分に興味などないと思っていた夫ジェイクが手を握っていたのだった。
ようやく心を寄り添わせた二人は、お互いに恋心を募らせ、不器用ながら徐々に本当の夫婦になってゆく。
仲も深まり無事妊娠したコーデリア。
妊娠を知った友好国の第一王子がやって来て、病弱で死期が目前の彼の妻のために生まれてくる子どもを譲ってほしいと頼まれて――!?
当然そんな頼みは聞けないと激怒するジェイクだが、そのやり取りを知ったコーデリアは……?
不器用な王太子夫婦が織り成す、結婚から始まる切ない純愛ストーリー。
本作は『薄幸の乙女は孤独な侯爵と禁秘の契りを結ぶ』の世界の王太子夫婦のお話です。
『空虚な結婚~王太子夫婦は不器用に愛し合う~(4)』には「第三章 夫婦の絆 追憶の中で、君は泣きながら笑う」~「第四章 情炎恋歌 欲しい、足りない、潤いたい」までを収録