【内容紹介】
ChatGPTに代表される生成AIが出現し、世の中は大きく変わろうとしている。 その中で、テクノロジーの動向に左右されず最も重要となるのは、アートの要素であるといわれている。
本書の特徴は、工学修士の学位を持つ著書が、社会に出た後で「足りない要素」を実感し、美術大学の修士課程に入り(最終的に博士号を取得)、アートをビジネスに応用できないかを、悪戦苦闘しながら得たエッセンスをまとめたものである。
また、企業における新規開発において「アート」の要素が、非常に“使える”ことを実証したことがユニークな点として挙げられる。
MFA(芸術修士)という新しい学問の領域についても詳しく述べられている。
「ビジネスに悩んだときには、アートに答えが存在している」
より多くのビジネスパーソンにお勧めの「アート×ビジネス」本です。
【著者紹介】
[著]朝山 絵美(あさやま・えみ)
兵庫県生まれ。工学修士(Master of Engineering)、造形構想学修士・博士(Ph.D. of Creative Thinking for Social Innovation)。外資系コンサルティングファームにおいてマネジング・ディレクターを務め、人間中心の経営戦略を専門とする。同志社大学大学院工学研究科知識工学専攻(現:理工学研究科インテリジェント情報工学専攻)の修士課程を修了。カナダ バンクーバーにてCo-ActiveR Training Institute(CTI)主催のコーアクティブ・コーチングのコアコースを通じてコーチングを修学。その後、外資系コンサルティングファームに入 社し、現在に至る。公益社団法人、一般社団法人の理事や相談役を歴任、経営者を対象としたエグゼクティブコーチングの実績も多数ある。武蔵野美術大学大学院造形構想研究科クリエイティブリーダーシップコースの修士課程を2021年3月に修了。その後、同大学院博士後期課程において、ビジネスパーソンが人間らしくイキイキとイノベーションを創発するための研究と椅子の制作を中心としたアートワークを行い、2024年3月に学位を取得。
【目次抜粋】
■第1章 なぜ「アート」を戦略の中心に置くのか
注目されるアートのスキルとは何か
アート=絵画作品という誤解
予測不能な経営環境下で求められるイノベーション
ビジネスとして向き合うべき3つの問題点
アート思考について
アーティストの「思考」はアートの一つの要素でしかない
本書のゴールはどこにある?
■第2章 「アート」とは何か
産業革命が創りだした世界
人間本来の営みを取り戻す
「美」により「創りたい世界」を脳内に想像する
精神的な世界を「物質化」させるにはどうすればいいか
価値観は身体の感覚を通じて形づくられる
「アート」で世界最大規模のIT企業を創り上げたCEO
■第3章 「アート」のスキル
アートのスキルとして求められるもの
アートのスキル1/エナジネーション/ Energination
アートのスキル2/トリハダ美/ Torihada Aesthetics
アートのスキル3/タンジブル化/ Tangiblization
■第4章 MFA(芸術修士)
MFAとは何か
ビジネスにおけるMFAの可能性
経営戦略としてのMFA
MFA経営戦略が適用される経営理論
「ビッグアート」によりイノベーションが生みだされる
■第5章 MFAの実践的アプローチ
MFAの実践的アプローチに関する全体像
Step 1 |対話や探索によりエナジネーションを高める
Step 2 |バイアスから逃れ、新しい価値観をもたらすアイデアを発想する
Step 3 |三方の心を揺さぶるトリハダ美を発見する
Step 4 |現場でリーダーがタンジブル化に携わることによりトリハダ美の強度をあげる
Step 5 |ビッグアートのトリハダ美により相手を直感的に魅了してバイアスを壊す
Step 6 |直感的にいいと感じたものに対して論理と情動により何らかの意味づけを行う