三千冊の本を載せて走る移動図書館「本バスめぐりん」は、今日も巡回先へ本を届けつつ、屈託を抱えた利用者たちの心を解きほぐす。縁もゆかりもない土地で一人暮らすことになった七十代の女性の、本と共に歩んできた半生を描く「本は峠を越えて」や、十八年前になくしたはずの本が見つかったことを引き金に当時の出来事が明るみに出る「昼下がりの見つけもの」、本と人との出会いを守る図書館司書として働くことへの熱意や矜恃に胸を打たれる「未来に向かって」など、全五編を収録。めぐりんが本と人々を?ぐ移動図書館ミステリシリーズ、第2弾。/解説=紅玉いづき