峰岸の愛人になることさえ厭わない響川の金に執着した生き方に、彼を想う気持ちから強引な取引をした志田。金を受け取らせるため、本当に体の関係を持つようになるが、頑なな響川の心は容易に志田へは向けられない。なぜなら響川は、志田の家が経営するレストランで出会った新人バイト・園村千鶴にぬぐい去れない罪悪感を抱き続けているからで…。何よりも志田を求めているのに、自分がしあわせになることを許せない響川だが、しかしついに呪縛から解き放たれる時が――。一方、高穂は蝶野の友人・芦屋の出現でふたたび彼を意識し始め…。ひとつ屋根の下のアパート物語・第三弾。いよいよ高穂と蝶野の恋も動き始める! 書き下ろしはパレスシャングリラ五反田草創期の80年代を舞台にした「さよならを教えたい」秋の巻。