もうすぐたんじょう日のるりは、自分の名前と同じ色のワンピースを探しにお母さんとデパートへ。
講談社児童文学新人賞入賞作「あおいの世界」でデビューした花里真希と「はりねずみのルーチカ」の北見葉胡の描く魔法のデパートの世界。
認知症になってしまったおばあちゃんと約束したワンピースを探しにデパートへ行き、そこでお母さんとはぐれた主人公の「るり」をきつねの紳士がいろんなフロアにエスコートする、デパート版「不思議の国のアリス」のような楽しい作品です。
エレベーターには、だれものっていません。
(のっちゃおうかな、でもな、どうしようかな。)
るりがもじもじしていたら、エレベーターのとびらが、とじたり、ひらいたりしました。
まるで「早くのって」と言っているようです。
デパートは、何階建てなのかわからないくらい、大きな建物でした。
「ほんとに大きいね。」
「まいごにならないように、しっかり手をつないでいようね。」
お母さんは、るりの手をぎゅっとにぎりました。
象でも通れそうな大きな入り口の横に、案内板がありました。ーー本文より。
もくじ
うさぎの人形のワンピース
デパートへ
きつねのしんし
くつの山
おしゃれな白ねこ
るり色の布
きつねのしんし、ふたたび
お母さんといっしょに