スペインのビルバオ・グッゲンハイム美術館など、数々の建築物を手掛けてきたフランク・ゲーリー。その建物は独創的で人を惹きつけてやまないが、彼の建築プロジェクトにはあまり知られていない事実がある。当初予定された期間や予算をほぼすべてで守っているということだ。筆者の一人であるベント・フリウビヤのデータによれば、巨大プロジェクトで期間内・予算内で完成し期待された経済効果を上げたものは0.5%というのだから、ゲーリーの成してきたことはほとんど奇跡ともいえる。本書では、ゲーリーへのインタビューや研究から、プロジェクト管理におけるパターンを見出し、その教訓を伝授する。*『DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー(2023年7月号)』に掲載された記事を電子書籍化したものです。