数週間前…俺は、自分は絶対に体験しないであろうと思っていたことを二つ経験した。一つは婚約者に内緒で一人スキーを滑りに行き、誤って雪山で遭難したこと。もう一つは、同じ境遇にあっていた女性と文字通り、身体で温め合った…ということだ。けれど、その人とは一夜限りの関係。お互いの連絡先を聞くこともなく別れ、俺の中で一時のいい思い出として記憶に残るはずだった。…彼女との再会を果たすまでは。そこは煌びやかな世界だった。多数の綺麗なドレスや装飾品、祝福の言葉を述べる従業員に、式を真剣にプランニングするカップル達。そうだ、そんな場所に…俺と婚約者の目の前に彼女はいる。俺達の担当プランナーとして。