…俺は、人には言えない過ちを犯したことがある。それは、実の妹である亜香里を犯してしまったこと。ただ…これは俺の本意であって、本意ではない。兄妹として行き過ぎた感情を向けながらも、俺は普通の兄でいたかったのだ。そんな経緯から、俺には妹との間に見えない溝のようなものを感じていたのだが…ようやく、元の関係に戻れそうな時が来た。何故なら一週間後、亜香里は結婚する。完全に俺の手から離れ、他の男のものになるのだ。これで必死で抑えていた欲望も落ち着くはず。そう…信じていたのに。無情にも一本の電話が鳴り響く。それは…想像もしていなかった妹の婚約者の訃報だった。