私は真面目なだけの女の子。人と話すのが苦手で、家族以外にはまともに笑顔も見せられない。そのせいか友達もできず、ましてや恋愛なんて考えたこともない。そもそも真面目なだけが取り柄の私なんか誰も相手にしない。そう思っていた。――その日まで。その日、私はいつもより1本遅い電車で学校へ向かい、痴漢に遭った。私なんかが痴漢に遭うわけがない、そう思っていた。けれど私のスカートの中をまさぐる男性はこう言った。君は可愛い、と。私は初めて自分が女として価値があることを知った。男性に求められる言いようのない快感は、所構わず私を襲った。やがて私自身も所構わず、誰彼かまわず、その欲求を満たすようになっていくのだった…。