「ぼくのために働かないか」
ペルーの5つ星ホテルで働く青年ティノ。
それまでオペラを聴いたこともなかったホテルボーイに声をかけたのは、
世界一のテノール歌手だった──。
何十個ものスーツケースに詰め込んだタキシードとアロハシャツと食料と調理器具、
プライベートジェットでめぐる世界ツアー、熱狂する聴衆と国家元首も参加するガラ・ディナー、
豪邸と別荘、花火まで打ち上げるパーティ、度重なる手術と再起への飽くなき願望……。
本書は、パヴァロッティが亡くなるまでの13年間、
もっとも信頼し、身近に置いて心を通わせた
「最後のアシスタント」による回想録。
溌剌としてみずみずしいユーモアあふれる文体から、
素顔のパヴァロッティの人間的魅力が伝わってくる。