あらすじ齢六十八にして、お茶を習うことになった。事のはじまりは、今から二十年以上遡るのだが、当時、私の担当編集者の女性と、還暦を過ぎたとき、自分たちはどうしているかといった話をしていた。私は、「いつまで仕事をいただけるかわからないけれど、仕事があればずっと続けていると思いますけどね」といった。私よりも二歳年上の彼女は、「私はお茶の先生ができればいいなと考えているのですけれど」というので、「そうなったら、私もお弟子になる」といったのである。(本文より)