「――お迎えにあがりました、姫君」
子爵家の養女として、田舎でのびのびと生きてきたクリスティナはある日、森で怪我を負った麗しい青年を助けた。
クレイグと名乗ったその青年の正体は、なんとこの国の王太子であった。
そして王太子がこんな田舎へやってきた理由は、ティナこそが国王の本当の娘だと伝えるためだという――。
現王太子であるクレイグと子爵令嬢のティナ。
二人は、男児の後継者を望んだ王妃の父親である宰相の策略により、生まれた時に取り替えられてしまっていたのだ。
ティナは王女になるなんて考えられなかった。
一方でクレイグは、自分は偽物だからティナを王女として王宮に迎え入れることが自分の最後の使命だと言い、親身に寄り添ってくれようとする。
全て受け入れている様子のクレイグだが、王太子でなくなった後どうなってしまうのか?
クレイグが幸せになる方法はないのかと考えたティナが導きだした解決策は――。
「あなたと私が結婚すればいい。
そうすればあなたは王太子のままでいてもかまわないでしょう?」
どんな時も前向きなティナと闇堕ちモードの王太子殿下(偽)はどうなる――!?
『偽王太子殿下が闇堕ちしそうなので(4)』には「第六章 それは友情ではなく、恋情」(後半)~「第八章 きっとすべてうまくいく」(前半)までを収録