国一番の名門貴族と名高いバイエルン家の長女・アネット。皇太子との婚約者として、順風満帆な生活を送る――はずが、身に覚えのない濡れ衣を着せられ、突如その座を奪われてしまう。そうして厄介者払いされるかのように、皇帝の私生児であるラフェルと政略結婚。何事にも苛立ち暴力に訴える夫と、冷え切った夫婦仲に疲弊し病に侵されたアネットは、失意の中で神に願う。
「どうか、あの時に戻る事が出来たら…すべての過ちを正します」
目を覚ますとそこは5年前のあの日、結婚式の前日。回帰を果たした濡れ衣令嬢の、ほろ苦く切ない、決意のやり直し結婚生活。