五歳になった年、青田蒼貴はサービスエリアの駐車場で一匹の子犬を拾う。子犬にゴンという名前を付けた蒼貴はあらゆる日常をゴンと共に過ごす。「ゴン、ここで待ってて、すぐ戻るから」いつも蒼貴を待ってくれていた子犬、ゴンは蒼貴が彼らの出会い二十周年を祝うためのケーキを買いに行った間に消えてしまう。それから一か月後、蒼貴はゴンのうわさを聞く。「お、オレ、ゴン。ゴ、ゴン」「お前が…ゴンだって?」犬だと思っていたゴンは実は獣人であり、蒼貴はゴンが暮らすマンションの警備員として入り込む。犬を取り戻す最も完璧な方法を探すために。