メリューナは、とても美しい容姿をもつサキュバスだ。
ただし、いつもとてつもないドジを踏んでしまうので誘惑に成功したことは一度もない。
メリューナはサキュバスとして極めて劣等生なのだ。
ある夜、メリューナは王宮に忍び込み、王太子を狙って夜這いをかける。
うまく部屋へ潜り込むことに成功しベッドへ歩み寄ると、そこには黒髪の凛々しい男性が寝ていた。
さっそく夜這いを始めようとするが、またしてもドジを踏んで男性を起こしてしまう。
なんと彼は王太子ではなく、騎士団長のグライフだった。正直に事情を説明すると、彼は精気を与えてくれるという。
喜んで精気をもらったメリューナだったが、なぜか魔力が消えて魔界へ帰れなくなってしまう。
劣等生のサキュバスは王宮グライフ付きのメイドとして働きながら、魔界に戻れる日を待つことになる……。
『劣等生でも立派なサキュバスになれますか!?~騎士団長の誘惑指導~(5)』には「恋の心の行く先は」(後半)~「書き下ろし番外編」を収録