事業承継は経営者にとって「最後の大仕事」であり、家族、従業員、取引先、社会、そして自身のために何年、何十年と経営してきた会社を後継者に引き継ぐというのは、言葉にすれば簡単だが実際にはかなりの勇気が必要で、実行するまでにはさまざまな壁を乗り越えなければならない。「後継者が見つからない」という理由で廃業を選択するケースも増えているし、無事に承継できたとしても、承継後すぐに経営が立ち行かなくなってしまう「失敗例」も多い。事業承継を成功させるには、「自社を末長く発展させること」「長寿企業になること」というゴールをしっかり認識したうえで、入念な準備を行なうことが不可欠なのである。そこで本書では、準備不足によって失敗してしまった事業承継の事例を解説したうえで、令和6年3月に計画書の提出期限を迎える法人版事業承継税制(特例措置)の活用法も含め、事業承継のメリットと成功させるための具体的な方法を紹介。事業承継を「これまで行ってきた経営を見直し、それを次に発展させる大きな契機」として、承継する側・される側両方の幸せを実現する1冊である。