飛べなくなった白鳥は、地上のアドニスに恋をした。
生まれたときに母を亡くしたソフィアは祖父母に引き取られ、父は死んだと聞かされて、愛のない家庭で育った。そんななか生きがいとなったのはバレエだったが、不幸にも交通事故に遭い、右脚の負傷で夢をあきらめた。けれど今では美術の道に進み、ギリシア大富豪ルーカス・アリティが名付け親から相続したコレクションの鑑定をするまでになった。黒髪と黒い瞳を持つ長身の彼は人を寄せつけない雰囲気だが魅力的で、同じく幼い頃に両親を亡くした者同士慰め合うように一夜を共に。ところがその後、思ってもみなかった血縁が判明する――ルーカスの屋敷に眠っていた古い写真から、なんとソフィアの父親が……。
■新作家スザンヌ・マーチャントの日本デビュー作! 誰からも愛されずにつらい人生を歩んできたヒロインは、頼れるのは自分だけということを学んできました。逆境にもめげず前向きに生きてきた彼女は、ヒーローとの出逢いによって幸せになれるのでしょうか?