2024年NHK大河ドラマの主人公『光る君』は藤原道長だった!
紫式部との愛人関係など、道長の意外な人物像に迫る!
千年も前に紫式部によって書かれ、いまも読み継がれる『源氏物語』。その主人公光源氏とは、藤原道長その人であったと言えば驚かれるだろうか。
紫式部の日記には、二人が愛人関係にあったと思しき記述が残されている。道長こそが光源氏のモデルであったとしても決しておかしくはないのだ。
一方、道長は「この世をばわが世とぞ思う望月の欠けたることもなしと思えば」と自らの栄耀栄華を象徴する歌をつくったというのが通説である。しかし、本当にそうだったのか。
仏教へ帰依していく彼の人生を見れば、そこには「無常観」こそあれ、「傲慢」「独裁」といったイメージはみじんもない。これまでの道長像は真っ赤な嘘ではなかったかと本書は指摘する。
誤解された道長という存在を中心に、かくもすぐれた小説が生まれてきた平安時代という時代が世界史においても奇蹟のような時代であったことを浮彫にする。