《田園交響曲》《南極交響曲》《天路歴程》《「富める人とラザロ」の5つのヴァリアント》……
20世紀の動乱のなか、イギリスの政治や社会を背景として、
先達エルガー、盟友ホルストらとともにイギリスならではの「国民音楽」を探求し、
フィンジ、ブリテン、ティペットら後進の作曲家たちを鼓舞しながら
「イギリスの声」をもとめた85年の生涯と不朽の名作の数々を、
イギリスを代表するジャーナリストが描ききる。
近代イギリス音楽史のみならず、
戦争と音楽をめぐる第一級の資料として、
いまこそ読まれるべき一冊。
──林田直樹(音楽ジャーナリスト・評論家)
ロンドン在住のヴァイオリニスト小町碧と
英文学者・高橋宣也による読みやすく格調高い翻訳と、
日本版だけに掲載された多数の貴重な写真も魅力。
巻末では、NHK-FM「鍵盤のつばさ」パーソナリティとしても人気の
作曲家・加藤昌則が9曲の交響曲の聴き方を親しみやすくガイド。