大陸の南に位置する孤島に、女神と称される一族がいる。その血族の女性は、加護を欲する各国の王族に花嫁として熱望されるほど神聖視される存在だった。一族の長男であるラディアは、次期族長の役割を担っていたが、北の国・トールバルド国から「女神を王の嫁に」との申し入れをきっかけに、その立場が一変する。あろうことか、適齢期の女性がおらず、やむなくラディアが性別を偽り、女神として嫁ぐことになってしまったのだ。男であることを隠さなければいけないラディアは、喋ることを禁じられた状態で国王であるクライスと婚姻を結ぶ。偽りの女神だという事実は、クライスも国民も知らない。クライスに女神として丁重に扱われるたび、ラディアの中で罪悪感が生まれるが、同時に、国王として真摯に民と向き合う誠実な姿にラディアはどんどん惹かれていってしまい・・・?