慶長十二年の江戸。京橋の遊郭に刃物を持った侍が押し入り、客や遊女を人質に立てこもった。
この凶事に巻き込まれた客のひとりの老剣士は、なんとか平穏にこの場をおさめようと、息を殺してなりゆきを見守っている……。
果たしてこの老剣士、一瞥してただものではないとわかるものの、その正体は予想のはるか上。なんと、本能寺の変を生き延びたかつての天下人、織田信長その人であった。
天下布武に興味をなくし、いまや江戸で自由気ままに暮らす信長は、退屈しのぎとばかりにさまざまな揉め事や事件を解決していく。
そしてそんな信長のまわりには、かつての名将や有名人などが、次々と現れてくるのだが……。