銀色の髪を丁寧に後ろへ撫でつけた、砂漠族の女戦士……リーリアは顔を伏せ、子供のように掌で顔を覆って恥じらった。声もなく立ちつくすイセスをよそに、首輪についた鎖を引っ張ってリーリアの顔を上げさせると、その横に屈み込み、静かだが、有無を言わせぬ口調でジゼルは口を開いた。「この子はね、いつもは強いフリをしているだけの変態なのさ……ね、リーリア?」(「高レベルのパーティ」より)
官能ファンタジー&バイオレンス、単行本未収録4本+書き下ろし1本で構成された電子オリジナル短編集。
*高レベルのパーティ/『ライトニング☆サーガ』外伝
*よるにはよるのうたがあり/『フォーリンソルジャー』外伝
*冬山にて……/『尼僧(シスター)戦士シフォン』『ウィアードハンター』外伝
*クロノ夜/『スプラッタ・ボーイ』外伝
*刃の神(サイドR)/書き下ろし
●中笈木六(なかおい・きむ)
1970年生まれ。1995年、第1回ナポレオン文庫新人賞で佳作を受賞。長編化した『女魔導士の塔』でデビュー。その後も活動を続け、現在も新作を執筆中。由麻角高介、中追貴六の別ペンネーム有り。