イーディスは幸せな日々を送っていた――。
孤児院の庭で、大好きな弟のアキレスと二人で花を編んだり、会話を楽しみ、おいしいお菓子を食べたり……。しかし、それは偽りの幸せだった。イーディスは正体不明の魔族によって、聖女であった記憶を封印され「夢の監獄」に囚われてしまっていたのだ。
夢の中のイーディスは違和感に気づきながらも、強制的に眠らされ、またすべてを忘れさせられる。その繰り返しだった。
現実世界では、ウォルターやエドワードたちが彼女を眠りから覚ます方法を模索していた。
イーディスも夢の世界で過ごすうちに「ここにはいない、誰か」を思い出し、この世界からの脱出を試みるが、それを知ったアキレスが豹変する。イーディスは夢から覚めることができるのか!?
一方、王都ではクリスティーヌ以外の国王含めた貴族たちが魔族に憑依され、クリスティーヌの処刑計画が実行されようとしていた。
クリスティーヌの視た未来が訪れてしまうのか、それとも、未来を変えることができたのか!?
”お払い箱になった聖女”の物語もクライマックス!
書き下ろし番外編にはウォルターとイーディスの甘酸っぱいストーリーを収録。