ある朝、後宮で宮女の死体が発見される。しかもそこには、皇后しか持つことを許されないはずの「鳳凰の簪」があった――。街が正月の活気にあふれる中、名家の娘・芙蓉(ふよう)は、後宮を司る皇太后から「ある人物と手紙のやり取りをしてほしい」と頼まれ、突然“文使い”に任命される。身元を隠すため男装するよう指示された芙蓉が、わけのわからないまま約束の場所に行くと、そこには美しい青年――蒼君(そうくん)と名乗る人物が待っていた。「お待たせしましたか」「待ったかだとは、愚問ではないか?」初対面からぶつかりながらも、蒼君から後宮の事件を聞いた芙蓉は持ち前の洞察力を活かすため、事件解決に乗り出すことに!そのさなか、何者かの刺客に襲われる芙蓉と蒼君。後宮の事件捜査のはずが、何やら不穏な雰囲気に――!?天真爛漫な男装少女と謎多き青年が後宮の闇に迫る! ハイスピード後宮ミステリ!