地球は、活動し、生きている惑星である。地球を構成するさまざまな物質は、そのかたちを変えながら、長い時間をかけて循環している。それにともなう多様な物質の多様な反応もじつは、熱い物質からは揮発性物質が放出され、冷たい物質には揮発性物質が入り込むという、非常にシンプルな原理で理解することができる。マントルの対流、大陸地殻の成長と循環、二酸化炭素の循環は、揮発性物質の出入りによって、さまざまな物質に変化しながらおこなわれていることがわかる。そして、それらの循環、揮発性物質の出入りは、地球が熱機関であることによって駆動されている。地球の成り立ちそして進化を、俯瞰した目で眺め、解説した地球科学の新しい入門書。
主な内容
プロローグ
第1章 太陽系の元素と揮発性物質
第2章 太陽系惑星と原始の地球
第3章 地球の物質循環
第4章 ゆっくり変化した地球
第5章 物質循環の中の生命の誕生
第6章 二酸化炭素と大陸地殻
第7章 粘土:冷たい環境でできた物質
第8章 親銅元素とウランの循環
第9章 熱機関である地球
エピローグ