歌舞伎役者が命を懸けて守りたかったもの。
公演中に毒殺された歌舞伎の女形――驚愕の事情と意外な下手人!
女形の歌舞伎役者・二代目瀬川路京は人気低迷に足掻いていた。
天に授けられた舞の拍子「神の音」が聞こえなくなっていたのだ。
路京は座元と帳元の強い勧めもあり、現状打破のため、因縁の演目を打つことに。
師匠の初代路京が舞台上で殺され、さらに瀬川家が散り散りになったきっかけの「母子月」だ。
子役として自分も出演した因縁の公演を前にして、初代殺しを疑われた者たちが集まってくる。
真の下手人は誰なのか?
初代はなぜ殺されてしまったのか?
終幕に明かされる真相に涙を流さずにはいられない、感動の時代小説。