あらすじ「お母さんは、私の幸せなんて望んでいない」 父を亡くし、編入した華族女学校の卒業式した海棠妃奈子は、 見合いを逃れる術(すべ)を探していた。 無能な娘は母の勧める良縁──子供までいる三十も年上の中年男に嫁ぐしかないという。 絶望した妃奈子は大叔母の 「女官になってみたらどうや」という言葉に救われ、 宮中女官採用試験を受ける。 晴れて母から離れ、宮殿勤めの日々がはじまる。