東京には、戦災や震災を乗り越えた古い建物が多く残っています。
昔ながらの商店街や下町を歩けば、気になるレトロな建物がちらほら……。
実はそれ、「看板建築」かもしれません。
看板建築とは、関東大震災の後に建てられた木造の店舗兼住居で、
正面部分は看板のように銅板やタイル、モルタルなどの装飾で彩られています。
ユニークな装飾は、著名な建築家ではなく、
建主や施工にかかわった職人たちが自由に施したものがほとんど。
型にとらわれない楽しい佇まいが、今も人々の心を魅了しています。
老朽化や空き家化によって日々取り壊されつつある看板建築。
今この瞬間も、減りはするものの増えることはありません。
本書では、今も現役で稼働している貴重な東京の看板建築を集めました。
営業中の店舗は、実際に建物の中に足を踏み入れることもできます。
見て楽しい、訪れたらもっと楽しい「看板建築さんぽ」の魅力が満載です。