あらすじ列強が角逐する激動の18世紀ヨーロッパに生き、40年にわたってハプスブルク帝国に君臨したマリア・テレジア。その治世は、多くの国・地域からなる「複合君主政国家」の現実と「絶対主義」的な支配理念とが絶えず衝突してせめぎ合う、波乱に満ちたものであった。「正義と慈愛」を掲げ、試行錯誤を重ねながら統治した「女帝」の生涯を、政治・社会・文化の諸相、そして同じ時代を生きた人びとの姿と絡めて描く。