よるべなき若者たちの孤独と、痛みと、共生を活写した鮮烈な「トー横文学」の誕生!
「これが新宿の片隅のリアル。どこまでも希望のない物語だ。だからこそ、深く胸を穿つ」――カツセマサヒコ(『明け方の若者たち』)
家庭にも学校にも居場所がない女子高生ジウは、救いを求め単身東北から東京を目指す。
たどり着いた新宿歌舞伎町の東宝ビル周辺、通称・トー横で出会ったのは、自分と同じ境遇の仲間たち。
売春、オーバードーズ、リストカット――。
彼らの生き方に憧れ、引き込まれて行くうちに、ジウは生きる意味を見出していくが、幸福な時間は長く続くはずもなく……。
ずっと隣にだれかがいてほしかった。
それ以上のこと、わたしは望んでない。
混沌として、人間の掃き溜めみたいな街。
でもそれがわたしたちの居場所なんだ。(本文より)