ひかりの家の押入れにいる、形も声もなんにもない影みたいなやつ、ナイナイ。唯一の友達であるナイナイをいじめっ子のありさちゃんに会わせた日から、ひかりの生活は一変した。ありさちゃんはひかりの親友のように振る舞い、クラスメイトは次々と接近してきて、いつもはつらく当たる母親さえも、甘々な態度をとるように。絶対に何かがおかしい。疑心暗鬼になったひかりはありさちゃんと距離を置こうとするが、状況は悪化するばかり。数年後、〈よみご〉と呼ばれる霊能者・志朗貞明のもとに、幼い子供と心中した姉の死の真相を探ってほしいという依頼が舞い込んでいた。無関係に思える二つの異変は、強大な呪いと複雑に絡み合い・・・・・・。第8回カクヨムWeb小説コンテスト〈ホラー部門〉大賞受賞作。