無垢な少女から妖艶な熟女まで一一。鴎外、花袋、荷風、漱石、谷崎、安吾、太宰たちが、憧れ、翻弄された女性たちを描く。女性は思春期を経て、恋愛・婚約・結婚に。悩みや荒みを抱えながら、やがては倦怠または不倫へと至ることも? 時代の変化に応じて、社会的自立や自覚が芽生えた主人公の生き様からは、近代日本の「女の一生」がみえてくる。
(収録作品)
森鴎外「杯」
田山花袋「少女病」
立原道造「白紙」
永井荷風「庭の夜露」
山川方夫「昼の花火
泉鏡花「雪の翼」
夏目漱石「硝子戸の中」
中島敦「下田の女」
谷崎潤一郎「青い花」
芥川龍之介「なぜソロモンはシバの女王とたった一度しか会わなかったか?」
高見順「強い女」
堀辰雄「辛夷の花」
坂口安吾「いずこへ」
久生十蘭「姦」
太宰治「葉桜と魔笛」