時は大正時代。橘伯爵家の令嬢・杏音(あんね)は、何不自由ない幸せな日々を送っていた。しかし、杏音の父が経営する会社が破綻し、橘家は莫大な借金を抱えることとなる。借金を肩代わりすると名乗り出たのは、ある地方の旧家・石神(いしがみ)家だった。石神家はその代償として、杏音が石神家の嫁になることを要求する。拒むことができない杏音は、古い掟としきたりの残る旧家に嫁入りすることに。夫となる青年・夏彦(なつひこ)のやさしそうな人柄に安堵する杏音だったが、婚礼の夜、杏音の寝室を訪れたのは、なんと義父の周一郎(しゅういちろう)だった。石神家には、義父と夫が花嫁を共有するしきたりがあると告げられた杏音は抵抗するも、実家への援助を絶つといわれ、泣く泣く周一郎を受け入れるのだった。その後、周一郎に惹かれ始める杏音だったが、それを察した夏彦は強い嫉妬を抱く。夏彦の「お仕置き」と称した凌辱に耐えられず、杏音は家を逃げ出した。周一郎は杏音を連れ戻すが、それがさらに夏彦の嫉妬心を煽る。夏彦は杏音を蔵に監禁し、夜な夜な弄ぶが、佐吉と義父が杏音を救出にやってくる。